星見の魔法使い

Story.あらすじ

「君に贖いの場を与えよう。
私は君の才能を欲していてね。君に最適な贖罪の機会を与えられるとも——」

舞台は現代の技術力を有する、星の理を知る人々「魔法使い」が存在する世界。
魔法使いの保安組織「掃除屋」を営む魔女、近衛曜の元に、二人の若き魔法使いが集う。

身体強化の魔法を扱う赫き炎を胸に抱く青年、ジル・テレストリアス。
天賦の才能である魔法の瞳「魔眼」を持つ、冬の気配を纏う少年、近衛理玖。

過去に暗い影を持つ二人の魔法使いたちは、掃除屋として戦いに身を投じていく中で、互いの持つ罪と想いを知っていく。交わしあう想いの先に二人が掴む未来とは——?

これは、罪を背負うふたりが

互いの標《しるべ》となるまでの物語——

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Character.登場人物

  • ジル・テレストリアス
    ジル・テレストリアス / 攻
    性別:男性 年齢:18歳 誕生日:12月14日 身長:183cm
    近衛曜が元締めを務める小さな掃除屋、掃除屋・キャットテイルに、中央(セントラル)直属の掃除屋から移籍してきた青年。
    明朗で人当たりの良い性格。普段は思慮深いが、譲れないものが生まれるとそれに向かって突き進む熱い性格をその影に隠し持っている。
    自分の欲のために他者を害する悪人を強く嫌悪しており、彼らに対しては普段の彼からは想像がつかない、ナイフの切っ先を思わせる鋭く冷酷な態度を示す。任務で相手取ろうものなら出来うる限り苦痛を与えてから命を奪うという残酷な仕打ちを行う。どうやら、彼の過去にその理由があるようなのだが——
  • 近衛 理玖(このえ りく) / 受
    性別:男性 年齢:16歳 誕生日:12月25日 身長:171cm
    中央(セントラル)の掃除屋に所属していたが、掃除屋・キャットテイルの立ち上げにあたり、師匠である曜に引き抜かれる形でそこに所属することとなった。天賦の才能である魔眼を有する。
    曜とは師弟、養母子関係にあり、彼女に恩と尊敬を向けている。
    他人を寄せ付けない冷たい雰囲気を纏っているが、本来は優しく、繊細で、心の温かい性格である。
    自身の過去に触れられることに酷く拒絶の反応を示す。また、他人に触れられることに恐怖を覚えるようで、人とは常に距離を縮めないように気を配っているようだ。
    近衛 理玖
  • 近衛 曜
    近衛 曜(このえ よう)
    性別:女性 年齢:31歳 誕生日:11月3日
    掃除屋・キャットテイルの元締めの女性。
    理玖の魔法の師匠であり、彼の養母でもある。
    自由奔放で飄々とした性格。
    かつては中央において高名であった魔法使いで、「虹の魔女」という二つ名を持っている。
  • 明石 佑
    明石 佑(あかし たすく)
    性別:女性 年齢:14歳 誕生日:9月8日
    曜の姉の娘、つまり姪にあたり、理玖とは従兄妹関係にあたる。
    クールな雰囲気からずばりと思ったことを口にするサバサバとした性格だが、困っている人を放っておけないお人好しな一面を内包している。
  • ジル・テレストリアス
    ジル・テレストリアス / 攻
    性別:男性 年齢:18歳
    誕生日:12月14日 身長:183cm
    近衛曜が元締めを務める小さな掃除屋、掃除屋・キャットテイルに、中央(セントラル)直属の掃除屋から移籍してきた青年。
    明朗で人当たりの良い性格。普段は思慮深いが、譲れないものが生まれるとそれに向かって突き進む熱い性格をその影に隠し持っている。
    自分の欲のために他者を害する悪人を強く嫌悪しており、彼らに対しては普段の彼からは想像がつかない、ナイフの切っ先を思わせる鋭く冷酷な態度を示す。任務で相手取ろうものなら出来うる限り苦痛を与えてから命を奪うという残酷な仕打ちを行う。どうやら、彼の過去にその理由があるようなのだが——
  • 近衛 理玖
    近衛 理玖(このえ りく) / 受
    性別:男性 年齢:16歳
    誕生日:12月25日 身長:171cm
    中央(セントラル)の掃除屋に所属していたが、掃除屋・キャットテイルの立ち上げにあたり、師匠である曜に引き抜かれる形でそこに所属することとなった。天賦の才能である魔眼を有する。
    曜とは師弟、養母子関係にあり、彼女に恩と尊敬を向けている。
    他人を寄せ付けない冷たい雰囲気を纏っているが、本来は優しく、繊細で、心の温かい性格である。
    自身の過去に触れられることに酷く拒絶の反応を示す。また、他人に触れられることに恐怖を覚えるようで、人とは常に距離を縮めないように気を配っているようだ。
  • 近衛 曜
    近衛 曜(このえ よう)
    性別:女性 年齢:31歳 誕生日:11月3日
    掃除屋・キャットテイルの元締めの女性。
    理玖の魔法の師匠であり、彼の養母でもある。
    自由奔放で飄々とした性格。
    かつては中央において高名であった魔法使いで、「虹の魔女」という二つ名を持っている。
  • 明石 佑
    明石 佑(あかし たすく)
    性別:女性 年齢:14歳 誕生日:9月8日
    曜の姉の娘、つまり姪にあたり、理玖とは従兄妹関係にあたる。
    クールな雰囲気からずばりと思ったことを口にするサバサバとした性格だが、困っている人を放っておけないお人好しな一面を内包している。

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World.世界観・用語

今作では、現代社会の技術力を有する、別の法則で成り立つ世界を舞台とする。
ここでは、その世界の裏側で認識される各用語の解説を行う。

1.世界の理

【生物たる星】

魔法使いの世界における常識として、この星はそこに住む生き物と同様に生物である、という説が確立されている。

星は核を心臓として稼働するものであり、無数の脈たる枝を伸ばして星のありとあらゆる事象を動かしているという。この脈を魔法使いの言葉では『星脈《グリッド》』と呼ぶ。星脈には生物で言うところの血液とも例えることができる『外気《マナ》』と呼ばれるエネルギー物質が流れており、それを一定値供給することで星の営みを行っている。

一般的な生物と異なる点として、星は地表の事象を動かすためにその地表にも星脈を露呈させている。とは言え、魔法使いの第七感を以てしても星脈を見透すことはできず、これを視認するには高練度の透視の魔法が必要である。この星脈が地表から伸びる地点を、星脈の『始点』、地表から星の内側へと星脈が返っていく地点を星脈の『終点』と呼ぶ。

地表に現れた星脈は外気の流れによって、地表生物の活動で穢れた「澱み」を吸い取り、星の核へ持ち帰る過程でそれを浄化している。この「澱み」は取り零されることがままあり、それが蓄積していくと地表に悪性の生命体である『亡霊』と呼ばれる生物が発生してしてしまう。
(澱みとは、生物の死、生物の悪性の行動、地表汚染などから発生する廃物のようなものである)

魔法使いによって、星の超常については常に研究されているが、未だ分かっていないことも多い未知の生命である。

【外気《マナ》とは】

星から生まれるエネルギー。『第七感』を持つ者だけが干渉できる。

そのエネルギーは生物の『内気《オド》』に干渉し、それを活性化、あるいは減退化させる力を持つ。一定量は内気を活性化させて生物の身体に活力を与えるが、供給量が多過ぎると逆に内気を破壊しはじめる悪性のものへと転じてしまう。

とは言え、基本的には純粋なエネルギーとしてあらゆる用途に使用できるため、魔法使いの世界では貴重な資源として扱われる。

地表においてその発生源は地中から伸びる星脈から供給され、星脈の始点は人々が神聖視する聖地などであることが非常に多い。逆を返せば、星脈の始点であることに気が付かぬまま、濃く純度の高い外気の溢れる場所に神聖な空気を感じ取ってそこと定めたと解釈することもできるだろう。

2.この世界で生活する人間たちの社会

【一般人と魔法使い】

この世界では、魔法使いの視点という前提で人類は二種類の種族に分類される。

1.『一般人』 一部の魔法使いはプレプスとも呼称する。人口の多くを占める、力持たざる者。

2.『魔法使い』 世界が放つ物質、『外気《マナ》』を感知し、星の鳴動を知る者。

一般人と呼ばれる人間たちは、星が持つあらゆる超常を知る感覚『第七感』を持たず、表側の人間の社会を動かす役割を持つ。

魔法使いと呼ばれる人間たちは、第七感を有し、星が行う営みを見守り、管理する役割を持つ。

魔法使いはその特性上、一般人の理解が及ばない超常の力を使役することができるため、社会の表側に登場することは殆どない。過ぎたる力はそれを持たざる者に畏怖を与え、排除の対象となることも少なくはないためである。

かつての歴史では、一般人と魔法使いとによる争いが勃発したこともあったが、数々の衝突の末、現在では互いにそれぞれの役割を担い、それに不干渉であることで合意した協定が結ばれている。

【魔法使いとは】

星の営みを見守り、その超常を研究する者たちの総称である。

全ての魔法使いは魔法使いの総本山『中央《セントラル》』に所属することが義務付けられており、一般人の社会で例えるならば、それは彼らが生まれた国に籍を置くことと同義であるほどには魔法使いにとって至って当たり前の常識である。

彼らは星が生み出す、第七感でのみ感知できるエネルギー物質『外気《マナ》』と、己が内側より生まれ出る生命力たる力、『内気《オド》』を反応させることで、ありとあらゆる超常を起こすことができる。

これを『魔法』という。魔法使いの呼称の語源はここから成る。

個人が持つ内気の性質は家系によって代々遺伝するものである。その性質の傾向を魔法使いたちは『機構《システム》』と呼ぶ。よって、魔法使いたちは一族に授かった機構を生かした形で魔法の研鑽を行い、魔法使いの世界で各々の長所を生かした生業を確立して生活している。

中央はその営みを奨励しており、それによる魔法使いの世の発展を促進させることこそ魔法使いのあるべき姿として示している。

【中央《セントラル》とは】

魔法使いが所属を義務付けられている、魔法使いの総本山。

彼らは魔法使いを取りまとめる組織として法を敷き、魔法使いのあらゆる営みを支援するための組織として活動している。

一般人の政府と異なる部分は多々あるが、そのうちの一つとして、一般人の価値観から見ると若干非道とも取れる法を敷いている点がある。

例としては、魔法使いの家系、そこに所属する魔法使いを一族の財産と捉え、魔法の研鑽のためにその人命を自由に使ってもよいという例や、特殊な職業に限り、後述の異端者と呼ばれる中央から外れた魔法使いの殺害を公的に認めている例などがある。

【異端者とは】

中央が定める法から外れた、罪人たちの総称。

ある者は、星脈から外気を不法に横領せんとする者。

ある者は、魔法の研鑽のために一族の人命では飽き足らず、他の魔法使いや一般人の人命を危険に晒さんとする者。

ある者は、中央に反旗を翻し、その転覆を謀らんとする者。他、魔法を使った快楽的殺人なども含む。

彼らは前提として魔法使いである為、一般人の保安組織では手が付けられないため、魔法使いの保安組織である『掃除屋』と呼ばれる職の者たちがその捕縛、中央への送致、或いは処刑にあたる。

3.魔法使いの言葉

【掃除屋とは】

主に星脈の終点に発生しやすい亡霊の討伐や、異端者と呼ばれる犯罪者の対処にあたる、いわば魔法使いの世界における保安組織とも言える職業である。

古くは亡霊を狩るだけの業種であったが、年々増加する異端者の対処を行うべく、中世の時代に異端者の捕縛、及び処刑を行うようになったと言われている。

【魔法工房/魔法具とは】

魔法工房とは、力ある魔法使いが構える拠点である。

壁面や床に『魔法回路』と呼ばれる持ち主の内気や外から引いた外気を通す脈が張り巡らされており、魔法使いにとって研鑽を積むのに適した造りとなっている。

魔法具とは、主に技師と呼ばれる魔法使いの職人が作り出す、無機物に機構を植え付けて魔法を発動させることができるように調整した器具の総称である。

大規模なものは魔法装置とも呼ばれ、魔法使いの暮らしを支える大切な機構の一つとなっている。

【大魔法装置・星見の眼】

『星見の眼《スターゲイザー》』

近年プロトタイプが完成したその魔法具は、『星見』の没落名家である近衛家の現当主・近衛曜が齢26の若さで作り上げた大魔法装置である。

近衛家が有する外気察知の能力と、装置に組み込まれた『透視の魔法』の機構によって、地域を極東に絞った形ではあるが、適応範囲の全ての星脈の位置を観測、及び異常の感知を行うことができる。

それまで、中央に脈々と受け継がれてきた古の星脈図面を使用してきた魔法使いの世にとって、まさに革命と言わざるを得ない発明である。

この装置で検知された異常は、その情報を共有する掃除屋に即座に通達され、円滑に亡霊及び異端者の排斥を行うことができるようになった。

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Product.作品 / 頒布情報

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